「サイト更新作業でPDFファイルをサイトにアップしたらiPhoneで見ると色が蛍光色のようになっておかしい」こんな経験はないでしょうか?
これはそのPDFがCMYK形式で作られていることが原因です。
RGB形式に変換しなおせば色は画面で見ている状態と同じようになります。
RGB形式に変換するためにはAdobeAcrobatDCを使用するのが一番確実ですが色を置換する際にRGBを選択する際に悩ましい選択肢があらわれます。
「sRGB」と「AdobeRGB」です。
「PDFはAdobeシステムが開発したんだからAdobeがついてるAdobeRGBを選べば大丈夫だろう」という人が少なくないかも知れませんがこれは間違いです。
モニターやスマホなどの画面での使用なら「sRGB」
sRGBという表記ではなく正確には「sRGB IEC61966-2.1」となっていますがsRGBと同義です。
WEBサイト関連なら画面で閲覧がほとんどですのでsRGBを選んでおくのが一番無難です。
次からはRGB形式の説明をおこないます。
sRGB形式について
CRTモニター(ブラウン管のモニター)で色々なRGB値を表示した時の色に似た色空間を定めたものです。
ヒューレット・パッカード社とマイクロソフト社が提案し1999年に標準化されました。先ほど出てきた「sRGB IED61966-2.1」はこの時の正式名称なのです。
マイクロソフト社が提案していることからわかるようにWindows関連のものはほぼsRGBを使っておけば間違いありません。
ブラウン管モニターという古い技術を前提に策定されているので最新のデジタルカメラが記録できる色域やプリンタで再現できる色のすべてをカバーできません。プリントするときは本来印刷されるべき多くの色情報を捨てて印刷することになります。
AdobeRGBについて
その名の通りAdobeが制定した色空間です。1998年にアドビシステム社が提唱しました。
sRGBよりも色域が広く、特に緑方向に広い色域を持ちます。
AdobeRGB対応のプリンターならsRGBよりも豊かな色で表現が可能になります。
ただ高品位なプリンタしか対応しておらず廉価なプリンターではその色域の広さを活用できません。
モニターも対応しているものは高額なものが多くプリントをメインにしている人しか活用できないものと言えます。
新参者DisplayP3
sRGBとAdobeRGBの他に2016年にAppleが「DisplayP3」という色空間を発表しました。
2016年以降発売のiPhone、iPad、MacbookAirなどがこの規格になります。
sRGBと比べると25%ほど広い色域とされていて特に赤の色域が広いとされています。
悩んだらsRGB。対応機器があるならsRGB以外
sRGBはこの三つの中で一番汎用的なので画面での使用前提ならsRGBで問題ありません。(WEBサイトに使用ならsRGB一択)
自分の持っているモニター、プリンターが対応済みでプリント用途なら「AdobeRGB」「DisplayP3」を使用しましょう。