ここ数年アベンジャースなどのアメコミ映画がいろいろ公開され人気を博しています。アメコミ作品には作品を代表するようなヴィラン(悪役)の存在が欠かせませんね。ヴィランも人気がかなり高いのがアメコミ映画の特徴のような気もしています。
人気の高いヴィランといえばアメコミではないですがスターウォーズのダースベイダー、スパイダーマンのグリーン・ゴブリン、そして2019年10月主役の映画が公開されるバットマンのジョーカーの名前が挙がります。
バットマンのジョーカーは不気味な笑みをうかべた見た目でトランプのカードの一つジョーカーが起源だということは明らかですね。ではトランプのジョーカーはなぜピエロのような格好で特別な意味を持つカードなのでしょうか?
ジョーカーは宮廷道化師
トランプのジョーカーは宮廷道化師がモデルになっています。宮廷道化師とは中世のヨーロッパで王や貴族に仕え歌や演奏、アクロバティックなどの芸で皆を楽しませる人のことです。それがなぜキング、クイーン、ジャックよりも強いカードとされているかというと、宮廷道化師のもうひとつの役割が関係しています。
民衆が言えないことを王に言う
宮廷道化師は君主(王様)に風刺や批判を伝える役割をも担っていました。中世で王様を批判することは死罪になりそうですが、宮廷道化師だけは王様のアドバイザーとしてそれが許された存在でした。ですのでトランプではジョーカー(道化師)が全てのカードの上をいく存在として描かれているのです。
本当のババ抜きはジョーカーではない
トランプで「ババぬき」という遊びがあります。ジョーカーを最後まで持っていた人が負けというゲームです。この「ババ」とう言葉は最初はジョーカーのことではありませんでした。最初、ババ抜きはクイーンを一枚抜いてカード合せをするゲームでした。相手がいないミス=オールドミスが残ると負けだから「婆ぬき」。今だったらセクハラと言われそうなゲームですね。クイーンがジョーカーに変わってもその呼び方が残ったようです。
ジョーカーは賢いから怖い
道化師がモデルなのにジョーカーは怖い存在として描かれています。なぜ怖いのでしょうか?
宮廷道化師は社会に精通していなければ風刺を効かせることができないので聡明な人しかなれなかったようです。
実は王様よりはるかに賢くて王様は裏で恐怖を感じていたのかもしれませんね。権力者は賢いものが嫌いということを表している気がしてなりません。
深いです。トランプ。