WEBサイトの定番部品の「ページトップへ戻るボタン」。だいたいのWEBサイト、ランディングページ(LP)で必要なので使い回している人も少なくないはずです。jQueryのanimateを利用している人、そのコードもう古いかもしれません。IE11がサポート外になった今、もっと簡単な新しいコードで書いていきましょう。
ページ内リンクへのアンカースクロールはCSSで制御できる
ページ内リンクへのスムーススクロールは今までjavascriptで制御してきました。
今までのコードは次のようなものでした。※jQueryあり
▼今までのスムーズスクロールの設定方法
$(function() {
$('a[href=^"#"]').on('click', function() {
var time = 600;
var href = $(this).attr('href');
var $target = $(href == '#' || href == '' ? 'html' : href);
var pos = $target.offset().top;
$('html,body').animate( { scrollTop: pos }, time, easing );
return false;
});
});
このようなコードで実現できましたが新しいCSSプロパティ「scroll-behavior」をhtmlに設定してその値を「smooth」にするだけで上記のjavascriptと同様の動きを実現できるようになりました。
▼あたらしいスムーズスクロールの設定方法
html {
scroll-behavior: smooth;
}
scroll-behaviorとは
CSSのプロパティ。スクロールが発生した際のスクロールのふるまいを設定できる。
▼scroll-behaviorの値一覧
- scroll-behavior: auto;
- scroll-behavior: smooth; // スムーズにスクロールする
- scroll-behavior: inherit; // 親プロパティを継承する
- scroll-behavior: initial; // 継承を初期化する
- scroll-behavior: revert; // ブラウザのデフォルトスタイルにする
- scroll-behavior: unset; // プロパティをリセットする
固定ヘッダー(Sticky)がある場合のずれ修正方法
html {
scroll-behavior: smooth;
/* 追加 固定ヘッダーの高さを指定する */
scroll-padding-top: 80px;
}
↑このCSSを指定するだけでスクロール先のオフセットを設定できます。
ページトップへボタンの処理にはscrollIntoView関数を使うのがおすすめ
ページトップへボタンの処理も今まではjQueryで書くことが多かったと思います。
今までの書き方
<body>
<div id="page">
...
</div>
<button id="pagetop">ページトップへ</buton>
</body>
$(function() {
$('#pagetop').on('click', function() {
$('html, body').animate({srollTop, 0}, 600);
});
});
新しい書き方
jQueryを使用しなくて比較的短く書くことができます。
<body>
<div id="page">
...
</div>
<button id="pagetop">ページトップへ</buton>
</body>
let trigger = document.getElementById('pagetop');
trigger.addEventListener('click', function() {
document.getElementById('page').scrollIntoView();
});
何が便利なのか
- scroll-behavior:smoothを使用してスムーズアンカーを設定している場合、jQueryを使用したパターンだとアニメーションに違和感を感じるずれが発生します。それに対して新しい書き方だと無駄なずれが発生しません。
- 生のjsだけで完結するためjQuery依存から脱却することも可能です。
ScrollIntoView関数についての説明詳細(MDN)
[注意点]ブラウザsafariにはscrollIntoView関数のプロパティに対応していないものがあります。
最後に
IE11がサポートから外れたのでscroll-behaviorを使用できるようになりアンカースクロールは以前よりかなり楽に設定することができるようになったので積極的に活用して行きましょう。